いとしのダックス( part-8 )
カワサキKL250目当てで相談に行った先でヤマハXT250を勧められ、
とうとう買ってしまったハリマオ。
足としてのXTは、思いついたら即どこへでも連れていってくれる魔法の相棒でした。
中型単気筒だからパワーがどうのというレベルじゃない、経済的に乗れりゃいいというのなら
今だって優れたバイクに違いないですよ。
そんなある日、XTで実家に帰ることに。
天気は快晴、絵に描いたようなバイク日和でした。
国道4号を南下して福島から国道13号を山形方面へ北上しました。
その県境の栗子峠にはトンネルが長短8ヶ所あります。
ちょうど7番目のいトンネルにさしかかろうとした時のことです。
まぁさっきから後ろを何かがずぅ~と近づいて来るのに気が付いてはいたんですよ。
気が付いてはいたんだけどその排気音がかなり独特なんだ。
その音がどんどん近づいて来る・・・。
バックミラーじゃ見えないんだけどさっきまでの音量とは違う。
何だ? いったい何?
7番目のトンネルを抜けて最後の8番目のトンネルへ向かう登りの右カーブ、
その時、一瞬だけど低いポジションでバイクにしがみつくようなライダーと
レーシーな大きいバイクが見えたんです。
ゆったりとしたその排気音は間違いなく単気筒、しかも大型だ!
あの時見た情景は今でも鮮明に覚えているし、忘れられるもんじゃない。
その大型バイクは銀色の小ぶりなタンクとそれ以外は黒・・・渋かったなぁ。
"BSA GOLDSTAR DBD34 "その名前と形は知ってましたよ。
でも実物は想像を遥かに超えていたんです。
クリップオンハンドルに両腕を伸ばして腹ばいになったライダーは黒の皮ツナギを着て、
銀色のおわん型ヘルメットと黒縁のコーグル、まぁ多少時代錯誤的様相だったけどね。
XTを追い越しざまに左手で軽くくれたピースサイン、カッコイイ~~。
何もかもがキッチリと重厚、そして何もかもが本物。
あの時聴いたあの音は一生忘れられないでしょう。
ビックシングルの咆哮、それは周期が明らかに違うんだ。
ドカッ!・・・・ドカッ!・・・・ドカッ!・・・・ドカッ!・・・・ドカッ!・・・・
あんな長い周期で聞こえてくる排気音なんて今まで一度も聴いたことがなかった。
そして8番目のトンネルに突っ込んで行ってからもあの音がずっとこだましていたっけ。
いや、こ、これは衝撃的!!! 本物だ、本物を見てしまったよ~
その興奮は仙台に帰ってからも続いてて、
何とかあのバイクを手に入れたい!!なんてとんでもない事を考えたりもしたんだけどね、
イギリスの古い単車なんてメンテだけでもすごいことになりそうだし、
だいたいそこらへんに気軽に駐車なんかできっこないもんね。
そしてある日、立ち読みしてたバイク雑誌にDBD34のそっくりさんの記事を発見。
なーるほどォそうかSRを改造してるってわけか・・・う~むこれだ!!
それは、XTから乗り継ぐバイクを心に決めた決定的瞬間でした。
(続く)
















